直島旅情:3日目

harukomatsumoto2007-08-21

考えてみたら直島旅行ではなくて四国旅行なのだと気づいたのは先ほどだった。3日間の行程中、アート・リゾート・アイランド・直島に赴いたのは2日間、賞味1日程度である。


最終日、わざわざ市内観光+おみやげ物色を省いて往復2時間をかけて直島に再訪したのも、1日目に地中美術館を訪ねそこねたからだ。写真や図面を見ればだいたい予想はつく、過剰な期待も陶酔的な感動もない…とはいえ、やっぱり今後のわたしの人生で多少なりとも話のネタになるかもしれない…と思い直し、夏のさわやかな朝、快適なホテル暮らしに泣く泣く別れをつげてはいつくばるように直島行きのフェリーニ乗り込むのは苦しい決断だった。出向直後から爆睡、気づいたら直島についていた。船内にはもう誰もいなかった。


高松発のフェリーが直島港に到着するのは9時少し過ぎ。開館10時までチケットも買えずに炎暑の中を待たされる。




飛行機の関係から、帰りは11時半のフェリーに乗らねばならず、おまけにチケットブースと美術館が数百メートル離れていて、そうするとバスの発着関係から観覧時間は15分程となる。




無為のヒトビトがなすすべもなくひしめいてる待合所がしだいに込み合ってくる。不毛な気分に襲われ外に出た。


10時になり新興宗教っぽいユニフォームのスタッフたちがのそりとあらわれチケット発売開始、沈滞した空気がにわかに活気づいてきた。群衆をおしわけ先頭から20番目くらいでチケット2000円也、チケットセンターから美術館まで急勾配をダッシュでかけあがると余裕のイチバン乗りで入場できた。勾配の角度約20度程か。




地下墳墓のような涼しい石の室内をかけめぐり、昼間の肝試しをしてる気分になる。15分で2000円ということは毎分133円、バス/フェリーの交通費を含めれば毎分280円、観覧料2000円はアート作品だけでなく美術館も対象です、という、コレこそモノは言いようの典型な説明、を受けてフームと眺めているうちにあっという間に終了。チケットセンターのロッカーにカメラを預けたので写真も撮らない。それがよいのかもしれない。四国で撮った写真を眺めていると風景を楽しんでいないというか全体的に世界に触れ合ってナイ感がにじんででいて我ながらチョット嫌な感じである。




時間に余裕アリ、アリガタガッテル余裕なしで、帰りはダラダラ、バスを待ちわび、港でソフトクリームを食べながらフェリーを待ちわび、船内で爆睡。時間効率のわるい豊かな直島の旅はこうして終った。台風一過の東京で、和三盆のカステラセットが肩に重くのしかかった。