カルロ・ポンティ

イタリアの映画プロデューサー、カルロ・ポンティ氏が死去したそうである。享年94歳。
毎日新聞 もしくは イタリヤの新聞


ポンティ氏は戦後イタリア映画黄金期を代表する名プロデューサー。

わがアントニオーニ最大のヒット作『欲望』を手がけたのもこのヒトである。「売れない」芸術映画ばかりを作るプロデューサー泣かせのアントニオーニを、アメリカ資本のMGMと組ませ、ファッショナブルでミステリアスで「売れる」!作品を作ろうとそそのかした。ポンティの戦略はみごとに成功し、ロンドン・ポップな『欲望』は世界的ヒット作となる。これでアントニオーニはみごとスターダムにのし上げられた(…のが作家としては身の破滅だったともいう)。

拙論「『欲望』論」
(↑「『欲望』はなぜ売れたか?」を基点としたアントニオーニ論。箸休めにお読みいただければ幸いです。)

ともかく凄腕のヒトだった。ソフィア・ローレンとの結婚や脱税問題でスイスに移住するなど、パパラッチ的話題をふりまく映画的映画人でもあった。

ちなみにポンティさんと同い年のアントニオーニ氏は健在である。ガンバレ!アントニオーニ!…。