非・東京風景3(続):非東京計画2007/房総旅情

東京風景的にはやっぱり足下も眺めよう…と思い、東京圏の地図を開く。


都内から日帰り圏かつ個人的には日頃から縁無し圏、それは房総半島。東京湾を囲む房総半島の周囲をめぐる旅に出かける。旅のお供は磯崎新『建築の解体』である。未来を夢見られない今こそがチャンスかもしれない。


東京駅から京葉線外房線内房線をぐるりとまわり、東京湾フェリーで房総側の金谷港から東京・神奈側の久里浜港へ渡り、最後は湘南新宿ラインで帰途につく…というのが大まかなアウトラインである。とりあえず前夜に地図を書いた。手書きの味をねらったはずなのにビンボー臭くなったな…。

非東京計画2007。。


旅の目的は無目的性、ひたすらナニも考えずにひたすら房総半島を移動することである。伊勢・熊野で1枚残った青春18切符で行くので特急は使えないし本数が極端に少ないので、ヘタに途中下車などできないし名勝見学などもってのほか。ただ、太平洋と東京湾を眺めながら房総半島を制覇できればそれでいい…と考えた。


10:00→ 東京駅から京葉線葛西臨海公園。ここはまだ都内。



傑作の誉れ高い水族館。アジアのお客さんが多かった。



水族館に見とれて10:24の貴重な蘇我行き直通の電車をのりすごす。これがあだとなり、すべて予定外の電車にのるはめになり、結果的に全行程が1時間以上の遅れをとる。


10:34→ 南船橋行。途中下車、次の蘇我行にのりかえる。千葉より南側の蘇我駅はけっこう開けてる。駅構内のこぎれいなそば屋でキツネそばを食べる。

11:45→ 蘇我駅からついに外房線へ。茂原駅行列車。茂原駅っていったいどこ…?と不安を覚えつつ、対面式の田舎列車、眠りこける青年がなんだか足臭かった。切り立つ山を背にした車窓の向こうに関東平野な田んぼが広がる。


12:15→ 茂原駅着。次の外房線は30分以上後。ジャスコのマックでエビマックを食べる。駅前に三越があった。


12:48→ 安房鴨川行。車内の路線図表から外れた地域に入っていく。それにしても車窓が埃っぽくて汚いしこれでは外の風景も楽しめない。三重/和歌山の紀勢線は窓がピカピカで窓ごしの風景を写真に撮れたのを考えると関東の非文化的な忙しさと関西の文化的な余裕を感じる。


海沿いを走っているはずなのに海岸線は遠く、さざなみは安房小湊につくまであらわれなかった。

14:22→ 安房鴨川駅から内房線

15:43→浜金谷駅


海辺の食堂でイクラホタテ丼定食を食べた。

海辺のひとたちの親切さにささくれ立ったウニの殻がはずされトロリと心がとけだした。磯の香りは幸せだ。


16:45→ 金谷港。


東京湾フェリーに乗り30分で対岸の久里浜港へ。


船室内はゴルフバックをかかえた年配のかたが多かった。


日暮れに向かい走る船。


17:30→久里浜港

港からバスで京急久里浜へ。途中のペリー来日記念碑をみたかったけど時間切れであきらめる。JR久里浜駅から逗子、鎌倉を経由して帰った。


ただ電車と船に乗っただけで感じられる達成感。各駅電車の旅は新幹線や飛行機のそれにはない地理的な広がりを体感できる。すっかり電車オタク化しつつある今日この頃。