先生の成績表

先日、久しぶりに「成績表」を受け取る機会があった。ここ1年半、神奈川の昭和音楽大学で美術史の講義を担当していたのだけれど、直近・半年分の授業に対する「学生アンケート評価」!の結果が送られてきたのである。一昔前のわたしの学生時代には学生が授業や講師を評価できるシステムなんて皆無だったけれど今はどうなのだろう。マンモス大学だったわが母校は年間1/3を休講にする必修授業もあったくらいのんびりしていたけれど、少子化時代の今は環境も変わっているのだろう。ところでセンセイ成績表の結果はまずまずで、もしかしたら無気力でイイ加減でわがままな自分の学生時代の成績よりよっぽど良好かもしれない…。これはわたしが楽しんでいた証拠です。ふりかえれば講義する立場というのは、面白いことも勉強することも多く、とくに「音楽する」ヒトたちの物の見方や考え方にふれられたのは新米センセイにとってはつくづく新鮮で貴重な体験でした。そしてあらためて、「表現」するヒト、「作る」ヒトへの尊敬を強める日々でした。創らない人間が批評する後ろめたさと恥ずかしさを感じながら生きているからです。優しく素直な音大生のみなさま、わたしの勝手な喋りと執拗なつっこみ?にあきれずにお付き合いくださってありがとうございます、心から感謝多謝です。