富山ライトレール

富山ライトレールに乗ってきた。路面電車を活用した新交通システム「LRT」(ライト・レール・トランジット)である。

今年3月上旬に廃業したJRの在来ローカル・富山港線を、4月末に発足した富山ライトレール株式会社が路面電車化してうけつぎ、新たにスタートした路線である。始発から終点まで全長7.6km、待ち合わせなど含めて約40分の旅。

LRTのある北口は整備され真新しい。富山駅の玄関口である南口とはエラク雰囲気が違う。北陸の淋しい風景が続いていたので、ライトレール的未来風景に少しホッとした気分になる。

富山ライトレール株式会社
朝日新聞の記事


出発点である「富山駅北」はJR富山駅の裏、地下道でグルリと北にもぐったところにある。15分間隔の発車で1時間4本。午後5時30分にのりこみ、視線の先の窓側席が若干あいていたので、おしりをムリヤリギュウギュウねじこむ(旅路は長い)。中高生が多い車内はかなりこみあっており、立錐の余地なしの手前くらい。

車内はこんな感じ。車内はまあたらしくピカピカ、走行中の衝撃も少なく、軽やかな乗りココチだった。雨降りだったのがザンネンだが。

シートのデザインは左右で異なる。
   通路   
車内が空いてきてから、わたくし、1.5人分の座席にムリヤリ割り込んだ事実に気づく。旅の恥はカキステであるが、北陸のヒトは親切だ(わたしなら露骨にイヤ〜ネ〜という顔をするところである)。

富山港線時代の昨年同時期と比べ、1日辺りの平均乗客数が2倍近くふえたそうである(約2,300→5,300人)。路面電車化で駅が5駅新設され、ダイヤもキッチリ15分ごとに編成された、という利便性の向上による効果があるだろう。そして、利用者の心理的には、ヤッパリきれいでピカピカの電車ならば乗りたいな、というのがあるだろう。旧国鉄から株式会社化し、経営の方針もだいぶ変えられたということなのかな。開業して4ヶ月目としては、なかなか成功している感じがした。


終点の手前の駅には富山県の競輪場があるけど、終点「岩瀬浜」にはナニもない。七里ガ浜みたいなのをそうぞうしてたのだけど。

しばらく歩くと富山湾にでる。人影なし。あるわけナシ。

湾沿いの整備された散歩道は、晴れた休日はひとでもあるのだろうが、雨降りの夕方にひとりでトボトボ歩いているのはいかにもアヤシイ感じがしないでもない。単なる観光客である。

太陽が出てきた。水たまりを蹴りあげながら旅は続く。

そういえば、同じ車内オッサンが2人ほど一眼をガッチリかまえていて、あちこちでパシャパシャやっていた。テッチャン仲間か…。それにしても東京に較べて北陸の車掌さんたちの制服は御洒落感が強い。ストライプがきいてて、垢抜けてる。文化的な余裕なのかしらん。