新宿オリンピック

2016年のオリンピック日本国内候補都市として東京が決まったそうである…。決定投票会で都知事の隣に安藤忠雄氏が座っていて心中ニンマリ、これから忙しくなるヤネン…と胸算用が始まったところなのかしらん。建築家氏はいつからか立て襟をやめてアンガールズみたいな髪型になっていた(←美容院カットを始めた?)。政治家と建築家、それは太古からの宿命的関係、「小説家」=「政治家」はよくあるけど「建築家」は「政治家」になりうるのだろうか…。


2012年に向けた招致合戦、昨年のロンドン勝利とパリ、ニューヨーク落選を思い出せば世界のハードルは厳しい。どの都市でもイイナア、つまり行ってみたいなあ、と思わせる街なので、まあしかたがない。


おまけに他の立候補しそうな都市をながめまわせば、金満さが取り柄の狭く汚い極東の亜熱帯都市の東京より観光的に魅力的な都市はいっぱいある気がする。明るく楽しく物価の安いメルボルン、はたまた本命とされてる南米のカーニヴァル都市とかアスリート原産地域のアフリカ諸国、さらには数学大国インド・ニューデリーのほうが、選手だって観客だって、まあ行ってみたいわ〜…と魅力を感じずにはいられないだろう。無駄な広報キャンペーンに都税が投入されるのはトウキョウの悲劇の始まりだわ…ということなのである。


とかいって、悲観的なことばかりいってもしかたがない。ここは未来志向で、2009年10月の最終的に開催地が選定され、東京が落選した後のことを考えよう。その時は、死産した幻の東京オリンピックを偲び、「新宿オリンピック」を目指してほしいものである。なぜかといえば新宿には都庁舎があるからだ。新宿の嘆きは新宿自身で慰めよう…。


というのも、何億円もの予算を投資して「世界」の人を極東につれてこなくとも、東京にはすでに多文化、異文化がタップリ共存しているからだ。コリアンタウン大久保(アジア文化)、アニメタウン代々木(オタク文化(というか渋谷?))、歌舞伎町(風俗文化)など、新宿にある個性豊かな街をつなぎあわせて開催されるのは「シンジュクリンピック2016」(苦しいかしらん…)。落選しちゃったけどガンバリマショ〜…と、ヤケギミで都庁舎で聖火転倒式。個性あふれる街を結んでスポーツと多文化、異文化理解の祭典!さらにアネックスとして渋谷まで範囲を広げれば、文化や世代を超越し、シンジュクリンピックはオリンピックっぽくなる。新たに施設をつくる必要もなく環境に優しく、東京もスポーツ的「衛生」観念で清潔かつ健康的になれるだろう。アマチュア精神にもとづくスポーツ愛好の心を取り戻そう!クーベルタン!と極東でひとりさけぶ。


世界オリンピックへのカウンターとしてMXテレビから世界中継すれば、エコロジカル東京の宣伝にもなるしお金も入ってくるし、イインジャナイかなあ。お金より頭を使え…といっても伝わらない時勢である。


参考:Wikipedia